生きるために読む死の名言

著者:伊藤氏貴
ダイヤモンド社
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《本を紹介する人》ケアネーネ編集部「おはぎ」

人生の目標は、ピンピンコロリ。
健康で長生きするために本気でダイエットをはじめたover50。
小さいことを気にするわりに、嫌なことは一晩寝たら忘れるタイプ。
大好きな推しの活躍を原動力に、今日も老いに立ち向かう!

人生に迷ったとき、そっと寄り添ってくれる。先人が残した言葉たち。

「死」を見つめることは、「生きる」こと。

 “死について考えを巡らせることになったとき、その一つの助けとなるべくまとめた本です。一気に読む必要はありません。頭から順に読んでいかなくても、かまいません。ページをパラパラとめくってみて、目にとまった人物やことばを選んでみてください。日によって、気分によって、気になる箇所は変わるはずです(引用)

『生きるために読む 死の名言』は、タイトルに込めた著者の思いを綴ったメッセージからはじまる。

たしかに、人はいつか死ぬ。間違いなく死ぬ。年齢、性別、職業、格差などに関係なく、「死」はすべての人に平等に訪れる。私も終活を意識する年齢になり、「死」への心構えをしなければと思っていたので、

裏を返せば、死について考えることは、「生きる」ことを考えることでもあります(引用)

この著者の言葉には、首がもげるほど頷いてしまった。

本書には、作家、漫画家、武士、コメディアン、実業家、政治家など、幅広い分野で活躍した99人が、書き残したり、言い残したりした「死についてのことば」が集められている。

生きることについて考えたり、落ち込んだり、困難にぶつかったり、病と向き合ったり、「死」について考えることは誰にでもあるはず。そんなとき、心に響く名言に出会えれば、「死」に対しての漠然とした不安や恐れが、和らぐかもしれない。本書の帯に書かれている「明るくはない。でも、ふしぎと力がわいてくる。」という言葉通り、人生に迷ったとき、あなたにそっと寄り添ってくれるはず。

心に響く言葉から、自分らしく生きるヒントを見つけて。

ちなみに、私がいまひとつ選ぶとしたら、小説家・宇野千代の「よく生きることは、よく死ぬことでもある」という言葉。明治から平成まで98年間、恋に仕事に、全力で自分らしく生き抜いた彼女は、この名言にこう続けている。「一生懸命に生きたものは、納得して死を受け容れることが出来る、という意味です」。私はいま、それができるだろうか。いやできない。宇野千代ほど波乱万丈の人生ではなくとも、思い残すことがないよう、よく生きよう。自分の人生なのだから。と、ポジティブモンスターめざしてがんばろうと決意をあらたにしている。ありがとう宇野千代さん。

このように、名言だけでなく、その言葉を残した先人たちの生き様が紹介されているのも本書の魅力だ。彼らの人生を知ることで、名言にさらなる深みと説得力が増す。人生はそれぞれ、さまざま。彼らの言葉と人生から、自分らしく生きるヒントが見つかるかもしれない。

目次

第1章 したたかな死の名言
(司馬遼太郎―1996年72歳;佐野洋子―2010年72歳 ほか)
第2章 はかない死の名言
(中島敦―1942年33歳;三島由紀夫―1970年45歳 ほか)
第3章 いさぎよい死の名言
(赤塚不二夫―2008年72歳;本田宗一郎―1991年84歳 ほか)
第4章 かみしめる死の名言
(山田風太郎―2001年79歳;大伴旅人―731年66歳 ほか)

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