80歳の壁

著者:和田秀樹
幻冬舎
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《本を紹介する人》ケアネーネ編集部「おはぎ」

人生の目標は、ピンピンコロリ。
健康で長生きするために本気でダイエットをはじめたover50。
小さいことを気にするわりに、嫌なことは一晩寝たら忘れるタイプ。
大好きな推しの活躍を原動力に、今日も老いに立ち向かう!

「80歳の壁」が見えてきた今、
あなたは、どう生きる?

健康寿命の“その先”に、不安を感じたら

健康寿命って、知っていますか?

寝たきりや要介護ではなく、自立して日常生活を送れる期間のことで、
日本人の場合、男性は72歳、女性は75歳あたりが平均なんだとか。
平均寿命を考えると、人が健康で元気に過ごせる期間って意外と短いのだなと思ってしまう。
80歳は、老後を健やかに過ごせるかどうか、人生における大きな分岐点なのかもしれない。

そこで、今回読んでみたのが、『80歳の壁』。

発売から時間が経っても支持は衰えず、「人生の道しるべとして手元に置いておきたい」「読み終えたあと、なぜか元気になれた」といった声が後を絶たないベストセラー。

80歳という高く厚い壁を乗り越えるための、具体的なヒントが詰まっていた。

あれ?老いって、もっと自由でいいのかも

著者の和田秀樹さんは、高齢者専門の精神科医として40年近く、高齢者の“心と体”と向き合ってきたスペシャリスト。そんな和田さんが本書で真っ先に伝えているのが、「日本人、老いに我慢しすぎ問題」だ。

たしかに、年を取ったら節制が大事、人に迷惑をかけちゃダメ、外出も控えめに、ってわたしも思い込んでいた。でも、そうやって我慢を重ねているうちに、人は体も心もどんどん弱っていってしまうらしい。

そこで本書に出てくるのが、こんなアドバイスたち。

「食べたいものを食べる」
「血圧・血糖値は下げなくていい」
「ガンは切らない」
「ボケることは怖くない」


え、こんなに自由で大丈夫なの!? と型破りなアドバイスの数々に思わずツッコミたくなるのだが、読み進めると、どれもこれも、ちゃんと医学的エビデンスがある。「80歳の壁」を前にしたとき、人がすべきことは、“努力”ではなく、“自分をゆるすこと”。その視点の転換が、読んでいてじわじわと心に染みてくる。

「これなら私もできるかも」が見つかる50音カルタ

第4章に収められた「50音カルタ」は、まさに、健やかな老後への“道しるべ”。

一例をあげると
「お」…おむつを恥じるな。行動を広げる味方です
「す」…好きなことをする。嫌なことはしない
「た」…食べたいものは食べてよし。小太りくらいでちょうどいい
「ふ」…不良高年でいい。いい人を演じると健康不良になる
「よ」…欲望は長生きの源。枯れて生きるなんて百年早い


「あ」から「わ」まで、どれも背中を押してくれる名言ばかり。
くすっと笑えたり、「あるある」とうなずいたり、「そっかこれまで通りでいいんだ」と思えたり、ボジティブ思考と自己肯定感が育っていくのもうれしい。
あれこれ制約され、ダメ出しされ続けるより、こっちのほうがよっぽどアンチエイジングに効く気がする。

「幸齢者」——老いを前向きに言い換える魔法の言葉

本書に登場する「幸齢者(こうれいしゃ)」という言葉も、個人的にはとても好きだ。
ただの「高齢者」ではなく、「幸せに年を重ねる人」。
なんとも明るく、前向きな響きではないか。

老いは「耐えるもの」ではなく、「楽しむもの」。

「もう歳だから」と縮こまるのではなく、「今だからこそ楽しめること」を見つける。
そんなふうに発想を切り替えるだけで、日々が少しずつ軽やかになる。

80歳の“壁”は、案外、気の持ちようひとつで“扉”にもなるのかもしれない。

老いって、怖くないかも。そう思わせてくれる一冊

親の変化に戸惑ったり、自分の体調の“微妙な揺らぎ”に不安を感じたり。
誰にとっても、老いはいつか確実にやってくるテーマだ。

不安はもちろんあるけれど、この本を読んだあとは、
「まあ、なんとかなるか」「もっと自分勝手に楽しんでもいいのかも」
そんなふうに、ちょっと肩の力が抜けて、不思議と元気になれる。

まあ、開き直るともいえるけれど(笑)

『80歳の壁』。まだ読んでいない人がいたら、ぜひ。
老いることは怖くない、そんな気持ちになれる一冊だ。


目次

プロローグ 80歳の壁を超えていく

第1章   医者・薬・病院の壁を超えていく
・幸齢者になったら健康診断はしなくていい」
・医療に頼るなかれ。医師には「健康」という視点がない
ほか

第2章   老化の壁を超えていく
・浴風会病院の高齢者医療。私が自信を持って話せる理由
・明日死んでも後悔しない人生の時間の過ごし方。三つのムリをやめる
ほか

第3章   ボケ・認知症の壁を超えていく
・認知症への誤解。思い込みがみんなを不幸にする
・知らない不幸。生きる知恵は残っている
ほか

第4章   高い壁を低くするヒント 50音カルタ
・長生きが大事なのか。残りの人生が大事なのか
・寝たきりは終わりではない。だからこそできることもある
ほか

エピローグ 人生100年の壁も超えていく

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