「突然意識不明になったとしても、すぐに家族に連絡がつく」 「普段から自分の病歴や持病についての情報を整理し、持ち歩いている」

Happy Endingカード

49枚のカードセカンドライフから終末期にかけて生じる問題をシミュレーションする楽しいカードゲームです。自分にとって必要な備えや生き方をゲーム感覚で確認できます。ケアネーネ編集部メンバー数名が制作に携わりました。Amazonで販売中です。

本体価格:5,500円(税込)
制作・販売元:株式会社 回 
グッドデザイン賞こちら
Amazonこちら

Happy Endingカードとは

年齢を重ねれば重ねるほど、お金や健康、介護などの不安が増えるもの。また、老後の不安だけを漠然と抱えているという人も多いのではないでしょうか?

Happy Endingカードは、そうした不安や問題を見える化し、自分にとって悔いのない最期とは何か、そのために今何をすべきかを考えるカードゲームです。49枚のカードを自分の意志に従って「YES」「NO」に分けていくと、不安の中身やこれから待ち受けるリスクが浮き彫りに。自分自身のリスクがわかれば、何を準備すればいいかも見えてきます。家族でプレイしながらセカンドライフへの想いを伝えたり、終末期、相続といった親やパートナーに聞きにくいことを、ゲームを通じて確認することもできます。終活を何から始めればいいか悩んでいる人にもおすすめです。

自分らしい最期って何?をおしゃべりしながら考える。

Happy Endingカードは、「今を生きる」「最期を考える」の二つの大きいテーマをもとに構成されています。「今を生きる」は、前向きに生きるために必要なことやセカンドライフプランニングなど、今をよりよく生きることを考えるカード。

「最期を考える」は、介護や終末期、相続、お墓など、よりよい死を迎えるために何を準備するか考えるカード。Happy Ending Talkでは、毎回これらのカードを1~2枚取り上げ、自分らしい生き方、死に方を探す女性たちがその内容について話し合います。

今回のトークテーマは、Happy Endingカードの「病への備え」のカテゴリーから、
「緊急連絡先」「病歴・持病の確認」。
突然の事故や病の発症など、万が一の時の備えについて話し合いました。

参加したのは

Sさん 70代

看護師歴うん十年。某評価センターに所属、第三者評価事業、外部評価、情報公表調査員として活動。時々看護師としてアルバイト。断捨離したいが可愛いものを見つけるとつい買ってしまう。そろそろ趣味を楽しむ時間も欲しいと考えている。

Aさん 50代

広告写真制作会社でマネージャーを務める。夏は登山、冬はスキー、とにかく山が好きでじっとしていられない。気になる本は買わないと気が済まず未読の山。少しは落ち着いて着物を着るという生活に憧れている。

ケアネーネ編集者Iさん 50代

グラフィックデザイナーとして、ワクワク楽しい問題解決を目指しています。読書と美味しいお酒を呑むことが大好き。長野の山奥に移住、半農半グラフィックの生活を模索中。

ケアネーネ編集者Kさん 50代

フォトグラファーとして、撮影も担当。80代後半で喫茶店の現役ママさんという驚くべき母を持つ。負けずに生涯健康でいるために取材などで得た知識を活かそうと企んでいる。

ケアネーネライター Yさん 50代

ケアネーネのライター。夫とフリーターの息子と3人暮らし。資産はないが、家の中は要らないモノであふれ、断捨離を決意するも挫折ばかり。運動不足解消、ボケ防止に絶賛けん玉中。

自分の「もしも」と、
家族の「もしも」に備える。

Iさん
Iさん

皆さんは、突然倒れた時、すぐに家族に連絡がつきますか?

Aさん
Aさん

普段はつきませんねぇ。山に行く時の登山用バッグには、緊急連絡先と、滑落とか何かあった時に身元がわかるように保険証のコピーが入っているんだけど…。

Kさん
Kさん

登山用のリュックを普段から持ち歩かないとね(笑)

Iさん
Iさん

Sさん、救急の現場ではどうなんですか?

Sさん
Sさん

救護の仕事中では、突然の事故の対応をする事があります。

はっきりご自分の事が話せる方は良いのですが、お名前、住所もまったく言えない場合、対応に苦慮する事があります。

皆さんの立ち会いで携帯電話や荷物を調べますが、携帯の暗証番号が分からず、ご家族に連絡がつかないこともありました。

携帯があってもロックされていたら何ともならないでしょ。

そのような時に何度か遭遇すると、不慮の事故は、いつ起こるか分からないし、自分の事に置き換えて考えるようになりましたね。

Iさん
Iさん

スマホには、ロックがかかっていても見られる緊急連絡先がありますよね?

Sさん
Yさん

iPhoneにはメディカルIDというのがあって、
私は家族と妹を緊急連絡先にしていますよ。

Sさん
Sさん

私はアンドロイドなんですけど、それは知りませんでした。

スマホに緊急連絡先を登録する

スマホにロックがかかった状態でも、緊急連絡先やアレルギー・病歴など必要な医療情報を表示することができます。

いざという時のために、必ず登録しておきましょう。

iPhone メディカルIDの設定は
https://support.apple.com/ja-jp/105072

アンドロイド 緊急情報の設定はメディカルIDの設定は
https://aprico-media.com/posts/4029

Iさん
Iさん

免許証の裏に、臓器提供の意思について書く欄がありますよね。
亡くなっていたら、臓器提供に回されるんですか?

Sさん
Sさん

ご本人に臓器提供の意思がありますけどどうされますか?と
ご家族にも確認しますね。

Iさん
Iさん

これは家族と相談して決めた方がいいよね。残される人の気持ちを考えると。

Aさん
Aさん

娘はそういっていたかもしれないけど、体に傷をつけてまで臓器提供したくない、と親御さんから拒否されることも多いみたいですよ。
しっかり家族に伝えておかないと、せっかくの意思表示もそこで止まっちゃいますよね。

Sさん
Sさん

以前、私、このHappyEndingカードを読ませていただいたでしょ。
それで準備したんですよ。

名前、生年月日、年齢、
住所、電話番号
連絡先(3カ所)
受診中の病院、診察券番号、主治医
病名、病歴
内服薬、アレルギーの有無
特記事項


を記入した
緊急連絡情報カードをパソコンで作って、
免許証と一緒に入れている
んです。


一同 すごーーい!

Sさん
Sさん

主人とふたりで作ったんです。

私は自分の分と主人の分を持ち歩いているし、主人は私の分も持ち歩いています。

Kさん
Kさん

それはいいかも!
何かあった時、家族の医療情報を知っていることは大切ですよね。

Sさん
Sさん

あとね、

119番に電話する時の 救急車依頼方法 っていうのも、ファイリングして家の電話の前に掛けてあるんです。

Sさんがご自身で製作された救急車依頼方法の写真

誰もが真似して備えておきたい救急車依頼方法だが、
独り暮らしの方こそ備えておくべきかもしれない。これがあればパニックにならずにきっと済む!


一同 えーーっ!

Sさん
Sさん

119に電話すると、いろいろ聞かれるじゃないですか。

火事ですか?救急ですか?って聞かれたら
「救急です」

どこですか?っていわれたら
「住所」を

どんな状態ですか?って聞かれたら
「意識なくて○○です」とか

順番に答えることを書いてあるんですよ。

Iさん
Iさん

これはみんなにもやってほしい!

Sさん
Yさん

焦ると何しゃべればいいかわからなくなりますからね。

Aさん
Aさん

数年前、姉がくも膜下出血で亡くなったんです。

倒れた時、義兄から電話がかかってきて、110番か119番かどっちに掛ければいいの?って。気が動転してわからなかったようなんです。

でも、正直どのくらいの人が緊急時に備えて準備しているんだろう。

Sさんはいつ頃から備えることを意識されたんですか?

Sさん
Sさん

70歳になったくらいですよ。

主人はもともと心臓が悪くて、心筋梗塞だったんだけど、その影響から不整脈で倒れて意識がなくなって。今回で3度目だったけど、落ち着いて電話できましたよ。

ご近所との関係も、ひとつの備えになる。

Aさん
Aさん

実は、姉が亡くなったあと、母が交通事故で亡くなって…。
警察の人は、これは事故じゃなく立派な殺人ですよって。

PTSDの症状が出ることもあるらしくて、相談窓口も教えてもらったんです。
ビタミン剤をアルミの容器ごと飲んじゃったり、自分ではしっかりしているつもりでも、かなりおかしくなっていました。

Sさん
Sさん

それは大変でしたね。

Aさん
Aさん

家の近くの信号を渡っている時だったから、
見ていた近所の人が走ってきて、「お母さんが事故にあった!」と伝えてくださって。
すぐに義姉が駆けつけたんですけど、救急車もすでに呼んでくれていたんです。

だから、ご近所ってすごく大事。
ご近所同士でいろいろ知っている状態なのは大切
なことですね。

Sさん
Sさん

うちも救急車が家の前に来た時、
近所の方が○○病院だからねって伝えてくれる
んですよ。

主人が退院した時にご近所にあいさつに行くもんだから、病院のこともみんな知ってて。

Aさん
Aさん

叔父が散歩中に転んで流血した時も、
近所の人が救急車呼んで、別の人が叔母に知らせて、救急隊に心筋梗塞になったことがあって、血をサラサラにする薬飲んでるからと伝えてくれた人もいて。

ご近所づきあいがいかに大切かって思います。

Sさん
Sさん

歳をとるとなおさらですよ。

Iさん
Iさん

Aさん。
今、住んでいるところでご近所づきあいはあるの?

Aさん
Aさん

引っ越した時にあいさつに回ったけど、お隣は面識がある程度ですね。
賃貸だと入れ替わりも激しいから、だんだんわからなくなってきちゃって。

だから、今住んでいるところで何かあっても、翌日出勤してこなかったからわかった、みたいな状態だと思う。

会社にも、万が一の時に自宅を確認できるように、契約した不動産会社の連絡先を知らせておいてほしいといわれました。

Iさん
Iさん

やっぱり連絡先や病歴を書いた緊急連絡情報カードは必要だし、
親には持たせた方がいいですね。

Sさん
Sさん

私は息子とお嫁さんに、こういうの作ってあるからって伝えてあります。
子どもの立場からすると、
親がそういうことをきちっとやっている方が安心みたいですよ。

残された人のために、
残しておかなければいけないこと。

Aさん
Aさん

姉が亡くなった時は、仕事や保険などの必要な書類を探すのに苦労したんです。

だから、兄からお前はちゃんと準備しておけっていわれて、賃貸マンションの連絡先、会社の誰に連絡するか、友人関係くらいは書いて送ったんですよ。

で、それ以外の必要なことをちょっといいノートに書いておこうと思って。まずは下書きからはじめたら、保険とか通帳とか、書き残しておくことって結構あるんですよね。いろいろ取っ散らかってしまって、結局2ページくらいで終わってます…。

Kさん
Kさん

エンディングノートを最後まで書けないって、こういうことだよね。

Iさん
Iさん

そのノートを書いたのはいつの話?

Aさん
Aさん

もう6年前。

たまに思い出して先を書かなきゃと思うけど、今は保険が変わっていたりして進まなくて…。仕事でいつまでに企画と見積もり出すとか、期限が決まっていればできるんだけど。とりあえずまだ生きているし、って思っちゃって。

Kさん
Kさん

情報は更新していかないといけないし、意外と大変かも。

Sさん
Yさん

私も、もしもの時に必要な情報を書いておこうと思ったんですけど、結局、仕事関係の連絡先くらいしか書いてないんです。

仕事のデータが詰まっているパソコンの中身をどうすればいいのか、それ考えると面倒になってきてしまって…。

Aさん
Aさん

それ、わかります!

パソコンは会社のもので、iPadは個人で持ってて、家族に何をどうしてもらえばいいのか、そこでつまずきました。

私の姉もフリーランスのコピーライターだったんですが、亡くなったあとパソコンが開かなくて大変で。

甥っこがパスワードをメモしたものを見つけて何とか開いたんですけど、取材したボイスレコーダーや、それを文字起こししたデータとか、仕事関係の方に必要な物を渡すまで一苦労でした。

Sさん
Yさん

そうなりますよね。

私も自分の仕事のことに関しては家族も分からないと思うし、迷惑かけることになるかも。

Kさん
Kさん

完全にリタイアして、連絡が必要なのが家族だけならいいけど、現役世代の人に何かあったら、困ることがいろいろ出てくるだろうね。

Aさん
Aさん

一番大変だったのがサブスクの解約だったんですよ。

毎月、どのサブスクが引き落とされているのか、しかも、年に1回しか引き落としがないものってあるじゃないですか。初盆が終わったあとに、引き落とせませんって連絡が来てビックリしました。

解約する時に一番早いのは電話でしたね。ネットでやろうとするとパスワードが必要だし、家族でもそこまでわからないし。

Iさん
Iさん

たしかに、病歴や持病だけじゃなく、家族のためにそういうことも書き残しておかないとね。

緊急連絡情報カードを携帯する

多くの自治体では、もしもの時に備える緊急連絡情報カードを配布しています。
ダウンロードできるものもあるので、ぜひご活用ください。

たとえば、

名古屋市中区「わたしの防災あんしんカード」
https://www.city.nagoya.jp/naka/page/0000074162.html

横浜市西区「もしもカード」
https://www.city.yokohama.lg.jp/nishi/kenko-iryo-fukushi/fukushi_kaigo/koreisha_kaigo/torikumi/moshimocard.html

奥州市「もしもカード」
https://www.city.oshu.iwate.jp/iryokaigorenkei/torikumi/mosimo/index.html

マイクロソフト Officeテンプレート「救急連絡カード」
https://www.microsoft.com/ja-jp/office/pipc/template/result.aspx?id=11681

万が一の時が来た時、を想像してみよう。

緊急時に自分自身の情報を伝えられるようにしておくこと。意識不明や亡くなった時、その後どうしてほしいかを具体的に考えておくこと。

普段あまり意識することのない、だけどとても重要なテーマについて語り合い、いろいろなことに気づかされた座談会でした。

万が一の時はまだまだ来ないんじゃないか…そう思っているから備えが十分にできていないという人も多いのではないでしょうか。万が一の時は、今来てもおかしくない。

その時、自分は、残された人はどうなるのか、ひとつひとつ想像しながら必要な情報を整理してみませんか。さらに、何を伝えておけば困らないのか、家族や周りの人と話し合うことも大切な備えになるはずです。

今回の気づきポイント

  • 緊急連絡先、医療情報を準備したら、内容を家族と共有する
  • 家族に万が一のことが起こった時の初動を考え、備えておく
  • ご近所とのかかわりが、緊急時に役立つ
  • 自分が死んで残された人が困ることは、元気なうちに伝えておく。(特にデジタル関係は盲点)

ご意見・ご感想をお寄せください

必須マークのある項目をご入力のうえ、「確認する」を押してください。

プライバシー保護の観点から、個人を特定したくない場合は『ニックネーム』をご記入ください。
投稿タイトル
投稿URL

プライバシーポリシー / 利用規約 に同意した上で送信してください。

予期しない問題が発生しました。 後でもう一度やり直すか、他の方法で管理者に連絡してください。
トップへ戻る
羊イラスト
羊イラスト